送り寄せ蟻組みという固定方法
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写真は、椅子を組み立てている様子。
初めて、木製座面を載せる椅子の注文。
この部分の上に、送り寄せ蟻組みという方法で、椅子の座面を載せます。

私たちがテーブルや机と脚を固定する方法に採用しているのが、送り寄せ蟻組み。
末広がりの台形の穴に、末広がりの出っ張りを設けて組む方法が、蟻組み。
送り寄せとは、一度大きめの穴に入れ、そこからズラして、木組みを効かせる方法。
そのメリットは、蟻組みが外から見えないことで、見栄えの品質を上げられること。

そして、私の工房のオイル塗装は、表面がオープンなので、ウレタン塗装などのように
塗膜によってクローズされた状態の木材より、伸縮が大きい。

吸い付き桟という方法は、少しずつ蟻組みの幅が変わり、叩き込んで効かせる方法。
力を込めて効かせられるのですが、1ミリずれると効きが悪くなるデメリット。
そこで、私たちは、鉄工の蟻組みのように、当幅で蟻組みを製作。
そうすることで、天板の伸縮を逃がしつつ、ずれても木組みを利かせられる。

色々な部分の仕様を、全体と照らし合わせながら調整していく。

無垢の木製座面を上に載せている椅子は、座面をビスで固定している場合が多いです。
私たちは、ビス固定をサポートに用いますが、メインは木組み。
ビス固定をメインにすると、木材の伸縮や加重によって緩んだ時、直すことが難しい。
今回の椅子の製作も、ビス固定だと製作が速いのですが、品質重視で送り寄せ蟻組み。

価格は、多くの無垢の木製椅子と同じ位にして、品質を高いところに置く。
やってみる前に、難しい工法だから価格を高くするということをしたくない。
もしかしたら、品質が高く、生産性の高い方法を思いつくかもしれませんし。
簡単な方法に慣れると、難しい方法へ移行することに、気持ちが乗らないはず。

自分の最善と思われる品質で、手頃な価格にするために、挑戦、改善をし続けること。
物づくりの本質は、お客様の立場で考える、地道な努力の積み重ねだと感じます。
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by hwf05 | 2010-02-03 11:16 | ・情報と資料
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静岡県藤枝市の旧東海道沿い。家具・プロダクト工房の日々の風景。   第38回、第44回静岡伝統産業工芸展で県知事賞受賞。
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